症状別説明（肩こり）

肩こりとは、首や肩の筋肉にかけて起こる「コリ感」や「不快感」の総称を言います。日本独特の表現とされ、重症化してくると腕の痺れや吐き気、頭痛が伴うことも少なくありません。
肩こりは腰痛と並んで、日本人多くが抱えている症状の一つです。
肩こりは大きく分けて二つです。
いわゆる一般的な肩こりである「原発性肩こり」と、心疾患や心因性の問題などの疾患によって引き起こされる「症候性肩こり」に分かれます。

《肩こりの原因は？》
・原発性肩こりの場合
主な原発性肩こりの原因は、肩周辺の筋肉を長時間緊張し続けた状態での姿勢保持、「不動性」によるものです。特にスマートフォンの普及で肩こりを抱える人は急激に増えています。長時間のパソコン等を使ったデスクワークや家事動作も、連続的に頸部を曲げるような前傾姿勢をとるので肩こりの原因になります。
人の身体は良くも悪くも、習慣的な使い方に順応し、状態を記憶していきます。
日常的に、首や肩周囲の筋肉を緊張状態にすることで、それが普通なのでは？といったように緊張が抜けなくなってしまいます。
緊張状態が続けば、新しい血液が周囲の組織に十分に行き渡らないので、慢性的な肩こりへと繋がってきます。
その他、慢性的な運動不足、偏った食事、習慣的な飲酒・喫煙、慢性的な水分不足、睡眠不足などがあげられます。
肩こりも腰痛と同様に、自律神経やホルモンバランスの乱れも関与してきます。
一概に動かしていないから？というだけでもなく生活習慣そのものに目を向けるのも重要な要素となります。

・症候性肩こりの場合
症候性肩こりの場合、原因はある疾患によっておこる肩こりになります。なので、その背景により、原因は異なってきます。
主に、頸椎性や肩関節疾患、顎関節疾患のような整形外科的なもの、ほか心疾患、肺疾患、心因性のものがあげられます。

《改善のためのポイント》
ここでは原発性肩こりを主に改善のためのポイントを挙げていきます。
・決められた姿勢で長時間いないこと
・ストレッチなど適度に身体を動かすこと
・水分をきちんと摂取すること
・睡眠時間を確保すること
・気分転換をはかること
・暴飲暴食を避けること
・内臓を休ませること　　　　など

肩こりは首や肩周辺の症状なので、その下部にあたる腰のトラブルも併せ持つもとが多いです。背骨が身体の柱となり繋がり合う構造なので、下部の腰や骨盤のトラブルが上位の首や肩へ影響を与えてしまうので、切り離して考えない事が大事なポイントになります。
特に肩甲骨や背骨（特に胸椎）の可動性（柔軟性）は肩こりに直結しやすいので、ストレッチや簡単な運動を取り入れる際は、優先的に行いたい部分です。
デスクワーク等、同じ姿勢をとりながらお仕事をこなさなければならない方は、定期的に背伸びや肩甲骨周りを動かすことをオススメします。
職場環境によっては制限があるかもしれませんが、理想は少なくとも15分おきには体を動かすように心掛けてください。
10秒程度の簡易的なもので大丈夫です。
肩こりも腰痛と同様に、精神的なストレスや食生活の乱れによる基礎代謝の低下も関与してきます。
簡易的なストレッチやマッサージで軽減しない場合は、違った側面から原因を考えていく方が理想的です。